満足と野望の狭間で
Aqours 4thSG「未体験HORIZON」のカップリング曲、「Deep Resonance」。
シャドウバースとのコラボソングとあるだけにこれまでのAqours楽曲の中でも一層、ダークな雰囲気を持つこの曲が存外すごくよかったので少し話をしてみる。
これはただのコラボ曲ではない。
【Tips】
まずはじめにこの曲がヨハネセンターであること、それはつまり小林愛香さんがセンターであることを念頭に置いてほしい。彼女のキャラクターへの愛が人一倍大きいところはもはやファンなら周知の事実、特にナンバリングシングルにおけるセンター投票では毎日、ヨハネへの愛を見せるほどだ。
そんな彼女とヨハネだが悔しくも今回のシングル”でも”2位、センターを獲得することができなかった。そして「Deep Resonance」のセンターにあたる投票が始まったのはこの頃であった。
皮肉とも言い難い結果の中でヨハネがセンターの座をつかんだことはこれで我慢しろだとか、しょうがないだとかを正直思わざるを得なかった。曲は時に激しく、重くですごく良いもの。だが心にある引っ掛かりを拭えなかった。
しかしそんなこの曲へのイメージは本当は誤ったものだと歌詞カードを見て気付かされたのだ。
【Words】
誰にも届かない声が 闇を駆け抜け
希望はここから生まれ ここで消えるのか
「違う!」と叫んだ 私の心で熱く燃える魂は
Fight back 暴れたいんだ もっと
Hurry up 信じたいんだ もっと
もっと? やっと気がついた真実は
黙ってたら叶わない
願うだけじゃ叶わない 動き出すのは今さ
痛みが 嘆きが 君の夢を貪る
誰にも届かない声が 闇を駆け抜けていく
認めないよ そんな悲しい世界なんて見ていられない
君とのレゾナンス...感じてる
「貪る」とは満足することなく欲しがるさま。飽くことなくその状態を続けるさま。
ある意味、自身は「Deep Resonance」という曲がB面曲で良かったと思ってしまっている。この曲のセンターがこの二人でよかったと思ってしまっている。栄光をつかんだその存在のすぐとなりでこの想いを”謳う”のはもはや挑戦状そのものである。”深き愛”に結ばれた二人の野望への挑戦状なのである。
さてAqoursはこれからどうなるか。僕らはこれからどうしたいか?
「Deep Resonance」という曲を称賛しつつも満足と野望の狭間であなたは何を願う。