メモ帳に描いたシンセカイ

れど(@redokoon)の世界の記録たち

【ろくほ】なぜ「Guilty『!?』 Farewell party」なのか? いつかとこれからのための二つの歌

ようこそセカイ。れどです。

これがここメモセカの挨拶です。別にそんなことはないですが「痛さも本気」という言葉もありますので。

 

前置きは置いといて、今回はそんな痛さも見合う(?)特徴を持ったユニット、Guilty Kissより新曲「Guilty!? Farewell party」の、そしてそこから派生される店舗別TVアニメ1期Blu-ray全巻購入特典曲である「Guilty Eyes Fever」の二つの曲についてお話をします。 

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Guilty Kissが持つ「Guilty」の意味

前回【ごほ】でお話ししたAZALEAの「卒業ですね」と同じく、TVアニメ2期Blu-rayの店舗別全巻購入特典として位置するこちらの楽曲。初めて曲を聴いた時には色々と考えさせられたり思うところがあったりしたわけですが、僕にとって特に気になったポイントが一つ。

なぜ「Guilty『!?』 Farewell party」なのか、ということです。

 

 

そもそもGuilty Kissにおける「Guilty」という言葉がもつ意味は鞠莉(マリー)の言葉だったり彼女を表現する言葉であると考えます。

 

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Guilty Night,Guilty Kiss!」は主に”G's世界線のマリー”における「Guilty」な性格の表現。1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」衣装お披露目の際の「ね、今無理やりにでもいいから笑顔を作ってみて? そしたら、その口元にーーマリーがチュッてしてあげる♡♡」や、第1回センター総選挙アピールメッセージの「ほら見て、このちっちゃなスカート!こんなのどう考えたって、ターンするたびにチラチラ見えちゃう∼♪」といったセクシーのような、色っぽいような一面。

また、それだけではなく王子様、例えば『定められたイイナズケとの結婚を嫌ってバルコニーにたたずむジュリエット』を迎えに来るロミオに救い出してほしいといったロマンチックな一面もこの世界線のマリーの特徴です。(詳しくは発売中のSECOND FAN BOOK P.66参照)

 

一方で「Guilty eyes fever」は後ほどお話ししますが”アニメ世界線の鞠莉”から梨子へと卒業後に受け継がれる物話という面を持つと考えます。アニメ世界線と言及をするのはアーティスト欄に「from Aqours」という表記があるため。TVアニメBlu-rayの購入特典曲というポジションから、ここで言うAqoursとはアニメ世界線の彼女たちのことを指すと考えられます。

 

それでは「Guilty!? Farewell party」はどうでしょうか。

世界線は「Guilty eyes fever」と同じくTVアニメの世界。この世界での小原鞠莉という少女が考える「Guilty」なことといえばやはり果南・ダイヤとの二年間のすれ違いがイメージされます。

 

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本当の気持ちをうまく伝えられないで手放してしまった二年間。三年生の夏になって千歌達をきっかけに「輝き」を取り戻し、最高の日々を過ごす今に至る彼女なわけですが、やはり心のどこかでは母校を救いきれなかった時に見せたような負い目をその二年間にも。その二年間を自分が作ってしまったことに負い目を感じているのかもしれません。

そんな、彼女の思う罪が曲のスタート地点となっているからこそタイトルには彼女の気持ちに関する言葉「Guilty」がついているように感じました。

 

ですがこの曲の正しいタイトルは「Guilty!? Farewell party」、「Guilty」ではなく「Guilty!?」となっています。

例えばの話、"AqoursのGuilty Kiss"として卒業式の直近の。送別会用に披露する最後の曲の作詞のほとんどは鞠莉が手掛けたものだとします。

彼女の心の中で抱いている「Guilty」な気持ちとそれを踏まえたうえでの今の想い。きっとAqoursみんな、その想いを聞いても気にしなくていいよ、大丈夫だよと声をかけてくれることでしょう。そんなみんなの許しの声を代表して同じユニットの善子と梨子のとった行動こそがそこに表されているのだと思います。

 

 

鞠莉から梨子のもとに届けられた歌詞ノート。そこにもともと書かれていた曲のタイトルは「Guilty Farewell party」だった。

しかし歌詞を見て、彼女の気持ちにふれて。「!」はGuilty、罪深きものを愛する少女が「?」はGuiltyというものがまだわからない少女がそれぞれ書き加えた声なのかもしれません。

ここでの二人の考えるGuiltyはどちらも鞠莉の思う「Guilty」の本質にはふれていません。が、彼女の想いに二人が加えた声は辛いこともあったかもしれないけれど今は踊り明かしましょうと言っているのだと思います。なぜならこれがあなたたちを、そしてあなたを送る送別会の歌であるから。

 

そして鞠莉自身がこの声にOKを出せたのは、自身の「Guilty」を「Guilty!?」として許容することが出来たのは、そうしてくれたのが善子と梨子だったから。

果南とダイヤの前ではできないかもしれないけれど。みんなといる時では自分の”罪”への気持ちをさらけ出すことが出来ないかもしれないけれど。9人でいる時と三年生といる時以外で接してきた時間が一番長いかもしれないこの二人だったからこそ彼女も想いを打ち明けられるのかもしれません。

 

 

「Guilty!? Farewell party」ー いつかの時に向かって謳う歌

さてここからは(毎度恒例ではありますが)曲の歌詞について注目していきたいと思います。

引用部分等で用いる歌詞は紫字+斜体で表記していきます。

 

先出ししてしまいましたが今回の主題となった「Guilty!? Farewell party」の「Farewell party」とは「送別会」という意味をもちます。そしてアーティスト欄には「Guilty eyes fever」と同じく「from Aqours」の表記が。

この曲が収録されたCDが解禁されたタイミング(TVアニメ2期Blu-rayラストの第7巻と同時期)も鑑みるにこの送別会は浦女を卒業する三年生の三人や、統合先の学校へ移る一・二年生達のお別れパーティの様子、そして前述の通り特に鞠莉の想いや言葉が込められた楽曲であると考えていきます。

 

 

Come on!

忘れないで Dancing the beat

キミのことが ずっと好きさ Oh,oh!

忘れないで Dancing the beat

どこにいても キミが好きさ

 

It's party time Yeah! もう一度 Catch and jump

Oh guilty dance Yeah! 前よりも上手いね Baby!

It's party time Yeah! 見つめてもっと近く

Guilty party 終わんないよ Hey!!

 

Kokoro yo kirakira Hajikete tonight

 

Dancing the beat」、つまり踊りのステップといったところまで意味を広げられるでしょうか、それを忘れないでと言う歌詞からはある楽曲のことが連想されます。

  

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彼女のソロ曲「New winding road。こちらの楽曲には彼女の、みんなとまたいつか会える日を楽しみに自分の道を歩んで行くという想いが込められています。そして「Guilty!? Farewell party」の冒頭の歌詞からは彼女の中でキラキラと、それこそシャイニーに輝いていた日々を胸にしている様子がうかがえます。

「前よりも上手いね」という歌詞には時の経過の存在が表現されていますが、それらやこの送別会を含めた時間は彼女にとっては胸に留めておきたい楽しい時間なのです。

 

 

盛り上がろう!

刻みたいよ 過ぎ去る時つかまえて

永遠なんて言わないけど 今は Dance dance

 

やっぱりキミは最高の Partner

Kirakira partner

一緒なら なんとかなりそうだから

 

過ぎ去る時」というフレーズは「Guilty Night,Guilty Kiss!」サビでは「すべては過ぎ去ってくの だからこそ綺麗さ」と謳っています。今この瞬間が永遠ではないからこそ、”限られた時間”であるからこそ素敵なものとなる。そんな想いを抱いて仲間と共に彼女も踊り明かしている。そんな今日という日はきっとみんなにとっても鞠莉にとっても夢みたいな One nightであるから。 

 

 

打ち上ろう!

頑張ったことは 経験値なんだすべてが

役に立つ日が来るってさ 信じて Dance dance

 

浦女を卒業するということ、自分の道に向かって歩み出すということ、それは一旦のみんなとの別れを経験するということ。

大好きなみんなとの再会までの道のりはきっとまっすぐなものばかりではない。何度だって寄り道をしたり道に迷ったりするかもしれない。それでも彼女は前に進み続けることでしょう。進み続けたその先に自分の信じる「輝き」があると信じて。

 

 

まわりながら You & me

光が色を変える Mirror ball まぶしいね

夜でも朝でもないセカイで You & me Dance dance

 

そうだよキミは最高の Partner

Hajikete partner

一緒にいたいって願いは同じ!

 

Come on! Party!!

 

You & me、貴方とワタシ。ミラーボールの光が一層雰囲気を高めている送別会の楽しさはまさに夜だとも朝だとも感じるヒマもないほどに一瞬。その一瞬の時間、『セカイ』を彼女は楽しんでいる。

ここで言うセカイとは「世界」ではなく『セカイ』。例えば自分が主人公の世界、自分だけのストーリーを進むオンリーワンの世界。それは他者からすれば未知の世界であり、自分だけの、自分と自分の大好きな人達だけの『セカイ』なのです。

 

続く「最高のPartner」という歌詞は2番のみならず、1番にも登場していました。

 

やっぱりキミは最高の Partner

Kirakira partner

 

1、2番共に鞠莉、彼女のパートとなっているこの部分。「Kirakira partner」は言うなれば堕天使として自分らしく、ありのままに輝いている善子のことを指します。そうした時、2番の「Hajikete partner」は梨子についての言葉と言えます。

 

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「はじけて」と言うことは例えば、自分の気持ちややりたいこと、夢や願いを閉じ込めて引きこもってしまう、浜辺のヤドカリのように引っ込んでしまう人物に向けられた言葉であると解釈できます。

しかしそんな人物と鞠莉の気持ちは同じ。「一緒にいたい」という想いは”ひとつだよ”と答えているのです。

 

そして「Come on! Party!!」から始まる間奏部分、途中から入るどこかCDプレイヤーから流れているかのような、こもったような音には楽しかった時間が記録されている可能性への示唆。

記録を遠い、それでもどこかでつながっている空の下で少女がひとり、思い出を振り返るべく再生しているイメージを描いているのかもしれません。

 

 

Come on!

忘れないで Danceing the beat

キミのことが ずっと好きさ Oh,oh!

忘れないで Dance the beat

どこにいても キミが好きさ

 

Come on!

夢だけみて Danceing the beat

キミと笑っていたいだけさ Oh,oh!

夢だけみて Dance the beat

熱いままの胸が痛いね

 

It's party time Yeah! もう一度 Catch and jump

Oh guilty dance Yeah! 前よりも上手いね Baby!

It's party time Yeah! 見つめてもっと近く

Guilty party 終わんないよ Hey!!

 

曲は再びパーティの盛り上がりの山場を表すようなサビのパートへ。しかしそれはパーティの最中のある地点ではなくどちらかと言えば終演間際の、ほとぼりが冷めていくかのような盛り上がりで。

 

ラスサビパートではかすかに誰かの声が、楽しそうな声が聞こえてきます。

輝かしかったあの日々に再会するために彼女は道を進む。たとえどれだけ道が曲がっていても、たとえどれだけ遠く離れていても。今はそんなこれからのことと、昨日と違う今でしかない時間に胸をじわりと少しだけ痛めながらも…

 

 

「Guilty eyes fever」ー これからのために託す歌

さて、ここまで「Guilty!? Farewell party」という曲を小原鞠莉という一人の少女にフォーカスを置いて読み解いてきました。作詞は彼女がしたものだという考察も。

ではもう1つのアニメ世界線での彼女らが歌ったと想定できる「Guilty eyes fever」はどうでしょうか?記事の最初の方で僕はこの曲を鞠莉から梨子へと卒業後に受け継がれる物語というふうにお話をしました。

 

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CDジャケットのイラストは淡島の連絡船をメインにギルキスの三人が描かれています。

船に乗っている鞠莉と善子、そして一人乗船していない梨子。

 

もしこの曲が卒業後、それも送別会が終わったのちの鞠莉から梨子へと受け継がれる物語、鞠莉がもう一度作詞を手掛けたものであるとした時、船の上、海の上。例えば内浦とは違う場所の海、異国の海の上から梨子へ託された鞠莉からのメッセージというストーリー性が生まれます。

善子も鞠莉と同じく船の上にいるのは彼女の自宅が内浦、淡島ほど海が見える場所ではないこともあるかもしれませんが、この二人と梨子とでは「Guilty!? Farewell party」の「Kirakira partner」と「Hajikete partner」のような、自己の開示が出来ているかそうでいないかの違いがあります。

 

 

Guilty Eyesで恋に落ちて

Shut down Shut down! Guilty fever

誰にもあげないの

Shut down Shut down! Guilty fever

 

Yes/No ハッキリと決めないのね

笑いながら誤魔化すのは

悪いクセ 選びなよ みんな消えてしまうよ

(みんな みんな 消えちゃうよ)

 

笑いながら誤魔化す」。まるでTVアニメ2期第1話で廃校の話をみんなの前で告げた時の鞠莉のあの苦い笑顔が連想されます。

そしてその言葉は梨子にとってもまた。TVアニメ1期第10話で彼女は大好きなピアノのコンクールが開催されることを知った上でAqoursの活動を優先すると、決して晴れやかでない表情を見せました。

しかし歌詞は「悪いクセ 選びなよ」と続いています。 

 

 

欲張りでも羞じなくていい

嘘じゃないなら受けとめるよ

怖れずに さらけ出してよ ぶつかってきなよ

(もっと もっと 知りたいよ) 

 

「欲張りでも羞じなくていい」という歌詞からは鞠莉のオープンな性格が表れているように感じます。そして続く歌詞は「怖れずに さらけ出してよ ぶつかってきなよ」。

曲が卒業後に綴られたものであるとして、三年生との気持ちのすれ違いを解き曇りない気持ちで内浦を去った鞠莉が発するこの言葉は誰に向けられたものでしょうか。

 

 

このパートを担当するのは善子。彼女の堕天使としての有り様を見れば彼女が歌うにはふさわしいパートとなりますが、それはつまりこの歌詞の言葉の対象が善子でないことになります。

ここでGuilty Kiss内で鞠莉の一つ下の学年であり、前述の通り自らの夢だって閉じ込めてしまう、ヤドカリのように引っ込んでしまう梨子を対象に鞠莉から告げられるメッセージと見て話を進めていきます。

 

 

ずっと狙ってた 私の Guilty Eyes

キミという人のこと 全て捕らえたい

You are my love

逃・が・さ・な・い

 

Shut down ふたりだけのセカイへ

他はいらないってくらい

好きだよと言わせてみたい 私は正直なの

目を見なさい(Love is fever) 

強く愛させて(Guilty fever)

 

サビの直前になるこのパートは梨子が歌いあげています。歌詞からは好きなもののためならばパートナーを少しくらい振り回すさま、まるで果南とダイヤとの仲を取り戻そうとして二人のことを振り回した鞠莉のその様子が感じられます。これは先ほどもふれた、TVアニメ1期第10話でAqoursのために大好きなピアノの夢を抑えた彼女との対比とも言えます。

そしてその振り回しは必ず結果として良いことへとつながっています。鞠莉が起こした振り回しは果南とダイヤとの関係を取り戻しただけでなく、新生Aqours結成にも至り、梨子もまた千歌の言葉を受けてはですがピアノともう一度真剣に向き合ったからこそコンクールで優勝を収めることが出来ました。 

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一方で「好きだよと言わせてほしい」や「強く愛させて」など歌詞を端的に見るとやはり鞠莉のオープンさや大胆さ、彼女のロマンチシズムをも梨子にも受け継いでほしい、そういうふうになってほしいという話としても文脈的にはとれるようにも思います。

余談となりますがサビ歌詞の「Shut down ふたりだけのセカイへ」ではここでも「世界」ではなく『セカイ』という言葉が用いられていますね。加えて「二人」ではなく『ふたり』という言葉。これは先ほど述べた、それぞれが振り回す範囲、自分だけのセカイで”想い”を共にしてくれる人数の範囲が数的に二人ではないこと、アナタとワタシという関係でセカイを共にしてゆこうという暗喩なのかもしれません。

 

そのあとの歌詞にも「Shut down」という言葉は登場してきますが、これは簡単に言えば「停止」の意、罪深いまでにその瞳に患った「」、夢や願いとその熱(fever)に対しては誰にも踏み入らせない、ジャマをさせないという姿勢の表れにもなります。この頑固さたる一面もまた果南のセリフにもあったように、特に9人のAqoursが結成するまでの鞠莉を表したらしさであり、逆に言えば梨子にはあまりないイメージでもあります。

 

 

自分の胸が騒ぎたがる

みとめなさい 火がついたと

良いコには ご褒美がきっと 待ってるはずだよ

(あげる あげる 甘いキスを)

 

自分の中でやりたいこと、やってみたいことができたのならそれは隠さないで前面的になっても良い。良いコにはご褒美がきっと待っているはずだから。

 

「良いコ」とは善い子=善子とも言えます。ここに記された歌詞は「Guilty!? Farewell party」で自身の「Guilty」を許してくれた鞠莉から二人へ向けられた感謝の言葉なのかもしれません。そしてその対価、ご褒美としてあげるものがキスというのも彼女の言う向こう、例えばアメリカではそれもスキンシップ、コミュニケーションの一つなのかもしれなく、より鞠莉らしい表現であると感じます。

 

 

本当の恋がしたかったんでしょ?

優柔不断にはサヨナラして

私へと 投げてみせてよ ハートの Invitation

(あつい あつい 恋になれ)

 

歌うのが善子、つまり言葉の対象は彼女ではない他者。

1番の歌詞のように好きなもののためならば多少なりパートナーを振り回すということに、善子としては堕天使でいさせてくれるみんなや梨子に向かっての感謝の言葉ともとれます。だからこそ「私へと 投げてみせてよ」と。あなたの「恋」のためのわがままでさえつき合わせてよと謳うのです。

曲はそんな二人、鞠莉と善子の言葉を受けて梨子のパートへと入ります。

 

 

どんな夢の中 抱きしめ合いたい?

キミという人だから ためらいに揺れてる

Let me love you

今・ふ・れ・た・い・の

 

あなたはどうしたい?どうやってその「恋」に向き合っていきたい?

その問いにためらってしまうのも梨子らしいです。そして出した答えは「今・ふ・れ・た・い・の」。それは引っ込み思案だった彼女の大きな進歩。自身の気持ちに従った応えを出せた一歩。

 

 

Up down ふたりカオスに惹かれ

やがてひとつの Guilty soul

好きだから情熱の扉 私に開けてみせて

なにもかも(Love is secret)

確かめたいの(Guilty secret)

 

「Up down」とは上がったり下がったり、という意味です。上がったり…つまりこのパートの歌詞の対象の人物から見た上の存在とは鞠莉、そして下の存在は善子。そんな二人、言うなればGuiltyを知る二人に挟まれながらカオス、混沌に惹かれやがて己が願いは定まってゆく。強まり決意されていきます。

 

その願いの強さでできた情熱の扉。それを開くのは「私」であるのだと。扉にかかる情熱、その熱い「恋」は秘密であり、罪深き秘密であるのだと。

彼女の中で自分の「恋」は秘密として保持するほど、できるほどに大切で強いものとなったのであり、そしてその秘密を開放するのは、自身の「恋」を叶えるのは自分なのだと答えているのです。

 

なにもかも確かめたい」という言葉は、そんな秘密を保持する人物の外側、同じユニットの鞠莉や善子、きっとそれだけでなく他の誰かみんなも抱いている想いでしょう。想いを込めた声は…それこそ「打ち上がろう!」、「Hajikete partner」となるわけです。

 

 

どんな夢にしよう? 全然醒めない夢!

キミという人のこと 知りたい 知りたい そして捕らえたい

You are my love

逃・が・さ・な・い

 

Shut down ふたりだけのセカイへ

他はいらないってくらい

好きだよと言わせてみたい 私は正直なの

目を見なさい(Love is fever) 

強く愛させて(Guilty fever)

なにもかも(Love is secret)

確かめたいのよ(Guilty secret)

 

Guilty Eyesで恋に落ちて

Shut down Shut down! Guilty fever

誰にもあげないの

Shut down Shut down! Guilty fever

 

曲のクライマックスのこのパートを梨子が歌うこと、この言葉を彼女が謳うことは鞠莉から託されたメッセージが彼女に届いた証であり、梨子が成長した証となります。

全然醒めない夢をワタシとアナタのふたりで叶えたい。「You are my love」、アナタがいることが、いてくれることこそが私の夢であり、「恋」 なのだから。私のこの「恋」を叶えるために少しばかり付き合ってね、と。

ヤドカリの殻に隠れて引っ込んでしまうよう昔の自分からは見違えるくらいにちょっと強引でGuiltyで…でもそんな姿の方がきっとシャイニーしているのです。

 

そして彼女、梨子が成長したタイミングでこの曲は梨子単一に向けられたものではなく万人、聴き手へのメッセージにも昇華します。

好きなものがあるのなら。Fever…熱狂するほどのものがあるのなら。

その願いや想い、「恋」は捕らえてもいい。怖れないでぶつかってみてもいい、手を伸ばしてもいいのだと。

 

改めてこの曲のもつ「Guilty」の意味は鞠莉の思う「Guilty」ではなく、彼女自身の本質的な、開放的なまでの性格のことを指しています。「Guilty Night,Guilty Kiss!」を歌うG's世界線のマリーと「Guilty!? Farewell party」を謳っアニメ世界線の鞠莉の”ふたり”の存在。「Guilty eyes fever」はそのふたりの存在を世界を越えてつなぐ曲であり、彼女を表す「Guilty」を次の世代、同じユニットの新しい最年長である梨子へ、そして多くの人へ託していく曲であるのかもしれません。