【ごほ】もう一度。いつでもあの声と曲たちを。「卒業ですね」からつながる物語
ようこそセカイ。
れどと言います。毎度この口上恥ずかしいんですけどメモセカのスタートはこうでなければと勝手な願望を抱いています。(笑)
さて、ユニット対抗全国ツアーが来月の札幌公演を皮切りに始まろうとしていますね。
去年のファンミと違い今年はユニットごとに日本各地で行われるそうで。
そうなると必然的にライブパートではユニット曲の披露に期待が寄せられますね。
特に未披露であるTVアニメ2期Blu-lay全巻購入特典曲が見れるのではないか!?という期待はひとしおかと思います。
今回はそんな特典曲の内の一つ、AZALEA~from Aqours~の「卒業ですね」についてお話していきます。
フルサイズが解禁されてからしばらくの時間が経ってはいますがこの曲を初めて聴いた時の”エモーショナル”が凄まじかったので。お付き合いしていただけると幸いです。
CDデザインに隠された関係性
「卒業ですね」。
そのタイトルにもあるように2期全巻購入特典曲の中でも特に卒業というテーマを強く感じる一曲のように思います。
一年生が一人、三年生が二人で構成されているAZALEAというユニットにとっては卒業し先立つ二人を花丸は見送る立場にいます。そして果南とダイヤは2期第10話のセリフにもあったようにそれぞれの道へ、バラバラの道へ歩む。
1番冒頭の歌詞にある「ここから右、左へ~」といったことからも三人の関係性はY字型のようにイメージできます。
見送る立場にいる花丸とその先の”曲がり道”で別れる二人。
しかし「卒業ですね」のCDデザインはY字型ではなく四角になっています。
「CDデザインが何だというんだ」その意見はもっともです。
ですがお時間があればお手元のAqoursやµ’sのものでも構いません、CDとそこに収録されている楽曲たちをその曲が出来た流れや背景、情景を思い浮かべながら見つめてみてください。
本旨とずれてしまうので割愛させていただきますがそこにはあなたなりの、しかし共通して言えるものとして何か関連性が見つけられたと思います。・・・そう願っています。(笑)
そして今回の「卒業ですね」のCDデザインは先ほども述べたとおり四角。ですがこの四角はただの四角ではないように感じます。1番のサビの歌詞に注目してみましょう。
卒業ですね
今までの私達から
手を離してしまったのは何故でしょう
今までの自分達から手を離してしまった。
三年生三人の”二年前の出来事”とも重ねて見ることが出来ますがこれを意図的、もしくは不可抗力のように自ら環境を変えてしまったと捉えると…?
いつの間にか少しだけ
大人になったと感じてるの
たぶんね きっと誰もが通る道ですね
その結果、つまり俗に言えば白さが物足りない答えの先に誰かの成長を感じた者の言葉ともとれるように感じます。そしてそんな言葉を投げかけた人物と言えば・・・
黒澤ダイヤです。
TVアニメ2期第8話でルビィの成長を嬉しく思ったと本人に告げた彼女がルビィに、そして自分がそれまでに歩んできた道のりは決してダイヤモンドのように純白なものであったとは言えません。
僕の考えの詳しくは「WHITE FIRST LOVE」及び「RED GEM WINK」の考察でお話ししておりますのでお時間がありましたら後で見ていただけると幸いですが、つまり「卒業ですね」という曲がダイヤの「恋」etc.にフォーカスを置いた曲と考えるとCDデザインの謎の答えの可能性が見えてきます。
向きを少し変えてみましょう。するとあるマークが現れます。
ひし形、つまりダイヤマーク。
黒澤ダイヤという少女の、「恋」とまで言える、焦がれた想いと重なる言葉が歌詞となっているこの曲のCDデザインがダイヤマークであるのは相応しいのではと考えられます。
思えばこの曲のジャケット絵背面の色や試聴動画のバックで流れている波の色はピンク色ですがその理由にも合点が付きます。AZALEAのピンクは「恋」の色なのです。
この曲のセンターは
記事冒頭でもお話しした通りこの曲はまだライブでは未披露の曲です。未披露ゆえにあくまで自分の予想と願望に過ぎないのですが、ではこの曲のセンターはダイヤなのでしょうか?
いいえ花丸です。
なぜ花丸なのか。それは前述したように、この曲の三人の関係性が花丸があとの二人を見送るという立場に立つ上で構成されたY字型であることに加えてもう一つあります。
この曲を聴く時、つまりCDを再生させる時に僕らはディスクを再生機器にセットします。そして機器を起動させれば、当然ではありますがディスクは高速で回転されます。CDはデザインの四角ごと高速で回転され。するとデザインは四角からマルへとマークが変化するのです。
高速で回転というのがミソ。回転=時の流れ、となれば今のAqours、AZALEAの状態から時が流れれば曲のタイトルにあるように「卒業ですね」と語る立場になるのは三年生の二人から一年生の花丸へと変わります。
再度詳しくは割愛となってしまいますが「Guilty!? Farewell Party」における鞠莉や「サクラバイバイ」の時の千歌は恐らくセンターポジションでしょう。それぞれのジャケットでこの2人はユニット3人のうち、真ん中かつ一番下にいるという共通点があります。
そしてそれは花丸も然り。「卒業ですね」のジャケット絵の真ん中にいるのは彼女です。このことからもこの曲が花丸センターであると考えられるのではないでしょうか。
また、この曲のセンターが彼女のものであると理由づけした「時の流れ」という要素の裏付けは歌詞にもあります。
ここから 右、左へ
貴方と私は
それぞれの未来選ぶでしょう
もう会えなくなるのでしょう
お別れ告げるまえに
貴方も私も
思い出の中を泳ぐでしょう
もう会えないって知るでしょう
卒業だけど
忘れないで抱きしめていたい
いつか懐かしいときめきに変わる
二度とないってわかるのは
もっとずっと先ね
今は遠ざかるだけ そして明日は別の道ですね
「この空はつながっている。」
そう語った果南とダイヤには「もう会えなくなるのでしょう」、「もう会えないって知るでしょう」という歌詞はおよそ不適切な言葉、矛盾すら感じますがこれは言葉をそのままの意味で捉えるのではなく、次に会える時にはみんなが浦女を卒業した状態、あるいは浦女が彼女たちの生活の中からなくなった状態となるということ、つまり今までの自分達とは違う状態であるということになります。
Aqoursとしての時間、浦女で過ごしてきた時間はきらめかしく、でもやはり悲しさの方が勝ってしまう。けれどそれすらも自分達の人生の思い出の一つとして懐かしいものへと変わる。感じられる。そうなった時、そこには正にときめきを感じていた時間があったと。
そして、またみんなと会える時のためにみんなが渡る「明日」という道はそれぞれ別であるんだと。これは進むべき道がバラバラとなった三年生だけでなく花丸やみんなにとっても言えること。こうして時は進んでいくのです。
余談となりますが「時の流れ」という観点を踏まえたうえで「卒業ですね」ジャケット絵の花丸を見てみると、その表情への印象が変わってきて見えるように感じます。
自分もいずれ、近い”未来”そうなることを彼女は”知っていた”のかもしれません…
いずれ訪れる離別
ここまで、「卒業ですね」という曲をキャラクターの内面などから見ていきました。しかしこの曲は、ひいては特典曲にはもうひとつ別のものの関連性があるように僕は思います。それはキャラとそのキャラクターを演じるキャストとの関連性です。
アニメの世界と現実の世界が合わさり2.5次元的なものを生み出す「ラブライブ!」ならではのこの要素を僕は2.5次元リンクと呼んでいます。キャラだけでなくキャストにも言える言葉や歌詞、メッセージなど。
そして今回の「卒業ですね」という曲は”先駆者”のようにAqoursにもきっといつかは来てしまう、「卒業」と敬称させていただきますがキャストとキャラの(一時的な)お別れを想像しながら聴いてみていただきたいです。
ここから 右、左へ
貴方と私は
それぞれの未来選ぶでしょう
もう会えなくなるのでしょう
いくつもの夢を分かち合い
季節が過ぎ去る この速さ
それぞれの担当メンバーの道とその役に声をあてるキャスト自身の道はいつかそれぞれの未来を選び分かれ道に突き当たる。
今はまだお互いに交わる場所にいるかもしれないが、Yの字のように”月日が経てば”いつかはそんな頃の自分にはもう会えなくなる。そして、そうして駆け抜けていく時間、「季節が過ぎ去る この速さ」はキャストの方々がことあるごとに口にしているようにあっという間であると。
卒業ですね
今までの私達から
手を離してしまったのは何故でしょう
いつの間にか少しだけ
大人になったと感じてるの
たぶんね きっと誰もが通る道ですね
いつかはそうせざるを得ない。「ラブライブ!サンシャイン!!」の~、という枠組みのようなものからいつかは外れる時がやってくる。
でもそれはこの曲の歌詞が重なる人物の、白さが物足りない答えの先の応えのようにその人自身の、あるいはそれに関わる人物の成長へとつながっていくのです。
「恋」の喜びを届けるように
そして「卒業ですね」という曲が描く物語はこの曲のみに収まらないように感じます。TVアニメ2期Blu-lay全巻購入特典曲から1期Blu-lay全巻購入特典曲への関連性。
よく話を聞くところであればCYaRon!の「サクラバイバイ」と「P.S.の向こう側」がつながっているという話があります。こちらも内容から少し外れてしまうため割愛させていただきますがこれはAZALEAも同じ。「卒業ですね」、そして「卒業ですね」から続く物語の可能性を秘めた曲こそ「LONELY TUNING」です。引き続き2.5次元的視点で「LONELY TUNING」の歌詞を追ってみましょう。
会いたい心
happyタイム happyタイム
繋がりたい
聞いて 聞いて 私はいつも
探しているのよ 君を
「繋がりたい」、「探している」という歌詞から先ほどお話ししたようにそれぞれの道を歩んだ後の、かつての思い出を振り返ろうとしているキャストの存在を念頭に。
何もかも投げ出して
今日はもう帰りたいと
ため息がここにきた 私のそこへきた
頑張ったって終わらない
そんなこともある ミッション
助けてあげたい この歌で
DJナイト DJナイト
大好きだった
happyナイト happyナイト
あの曲たち
流そう 流そう 早く届けて
元気にしたいよ
君を(届け 届け 君へ)
流そう(届け 届け 早く)
例えば仕事がうまくいかず落ち込んだとする。投げやりになりたい気持ちを思うというのはその人物の中に存在するキャラにも伝わっていく。
そんな自分を励ますための、自分から自分へ助けてあげたい歌とは大好きだったあの曲たち。かつて自分達が想いを込めて歌ってきた大好きな曲たち。
「元気にしたいよ」と、自分の中にいるもう一人の自分がエールを送っているのかもしれません。
したいのはなんだっけ
見失うときもあるよ
今日はもう帰りましょ すこしは休まなきゃ
頑張ったって知ってる
自分が知ってるの All right
いつかうまくいくよ
だからすこしだけ 休もう
自分の努力を一番知っているのは自分。そしてそうであると教えてくれるのは自分ではないもう一人の自分。努力して必ず成し遂げる、やり遂げてくれる。そのことを誰よりも一番近くで見てきたからこそ「いつかうまくいくよ」と言えるのです。
わたしの声が 聞こえてますか
チューニング合わせて
わたしに合わせて
(Thank you!)
わたしに合わせるということはラジオのチューニングを自分に合わせること。そして、その声を届けたい”相手”に聞こえるように合わせるということ。
続く歌詞は(Thank you!)という声。この声はいったい誰の言葉でしょうね。
TVアニメ1期Blu-ray全巻購入特典曲の試聴動画が解禁された頃、AZALEAの3人はスクフェス感謝祭で優勝し浦ラジを期間限定でジャックすることが決まっていました。それに加えて他のユニット曲二つと比べ当時の自分はこの曲の持つ世界観がつかめず、「LONELY TUNING」は浦ラジにフィーチャーした曲であり特定のキャラクターの想いに沿った曲ではないものと思っていました。
しかし「卒業ですね」という曲に、この曲の歌詞にそんな自分の狭いイメージを崩された。崩されて初めて意味が付与されたように感じました。「LONELY TUNING」という曲には3人が輝いていた歴史が歌として。声として届く形で記録されているのです。
この曲のジャケットにはAZALEAの3人と共に淡島の眩しいほどの青空も描かれています。落ち込んだ時や辛いことがあってもいつだってあの頃の思い出の中を泳ぐことができる。この空はいつだってつながっているのです。
プリーズ!!いつの日か続くスピンオフを
さて、最後となりますが「LONELY TUNING」の歌詞にある「大好きだったあの曲たち」について考えてみましょう。
人それぞれ思い思いにプッシュしたい曲、推し曲があると思います。ですが僕からは。AZALEAの曲として取りつまんでひとつ挙げたい曲があります。それは「トリコリコPLEASE!!」です。
CDの帯にある言葉は「プリーズ!!3人はアイドル」。
アイドルAqours、AZALEAとして活躍していた”物語”の記録、AZALEAとしての最初の記録がここにあるのです。
そしてこの曲を僕が挙げたのはこの曲のセンターがダイヤだからです。(らしい・・・です。調べたらそのように出ました。詳しく知っている方がいましたら教えて下さるとうれしいです(笑))
2018/09/08追記:詳しくは割愛しますが実際にライブ映像等を自分で確認してこの曲のセンターはダイヤだなと思いました。公式からの言及がないため不確実であることには変わりありませんが…
センターの話は先ほど「卒業ですね」のセンターは花丸と予想しました。
では「LONELY TUNING」のセンターは、というとこれはCDデザインや歌詞カードに注目してみましょう。「Guilty Eyes Fever」が鞠莉センター曲かどうかについてはまた割愛となり申し訳ないですが、他ユニットで特に比較できるものとしてCYaRon!の「サクラバイバイ」と「P.S.の向こう側」を見ていきます。
「サクラバイバイ」のCDデザイン及び歌詞カードはみかん色、一方の「P.S.の向こう側」のものはピンク色となっています。「P.S.の向こう側」は降幡愛さんが演じるルビィがセンターだという認識は特に2ndライブツアーに参加したことのある方には納得のいく話のように感じます。
そして「卒業ですね」のセンターが花丸だと予想した際に「サクラバイバイ」のセンターは恐らく千歌でしょうとお話ししました。そう考えた時、エメラルドグリーンを用いたCDデザインと歌詞カードを持つこの曲のセンターが誰なのかと考えると果南ではないかという可能性が挙げられます。
「卒業ですね」が花丸。
「LONELY TUNING」が果南。
そして「トリコリコPLEASE!!」がダイヤ。
これからユニットファンミや4thライブを控えた中で、ユニット曲の披露があるのかどうか。あるとしてどういったセットリストが組まれるのかは不明ですがこの三曲がもつメッセージ性、つながる物語・・・それこそいつかは訪れてしまう時の、さらにその先を描いたスピンオフの物語をこの順番で見れることを期待しています。